2020年11月21日

オンライントーク

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書籍出版記念ということでオンライントークをやります!

2020年11月27日(金) 19:00から20:00

お金をとってやるからには盛り上げないといけない!と思ってはいるけど、あれこれ頭の中で妄想ばかり広がる。1時間ってあっという間で短いんですよね。

とりあえず考えているのは参加者とできるだけ会話したいということ。いっぱい質問を受け付けたいと思っています。でも水鳥の羽根に関する質問はないとうれしいな(苦笑)。

羽根のクイズも出します。簡単そうなのから絶対無理だろうという意地悪的な問題まで今5問作りました。出題後は書籍を使って識別点を解説していきますので参加される方はお楽しみに!!!

もう一つ、書籍が重版になったらという前提で、新しく入れてほしい羽根についてもリクエストを当日募集したいと思います!ページ数が増えるわけではないだろうから、さらに詰め込む感じだけど、重版時にはさらにグレードアップした内容を考えていますので、参加される方はぜひチャットを使ってリクエストしてください。

最後に、当日は羽根を持って行って画面越しに紹介したいと思います。見たい羽根があったら事前にリクエストしてください!あと、聞きたい話でもオッケーです!それでは当日お話しできるのを楽しみにしています!
posted by かんたろう at 18:57| Comment(2) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月21日

書籍発売記念(その2)

10月31日、文一総合出版から「BIRDER SPECIAL 羽根識別マニュアル」が発売になる!それが手元に届いた!!とても感慨深い!!
帯に書かれたU先生のお言葉も素晴らしい!ちなみに表紙を開いて出てくる大扉は羽根が全部裏になっている。構造色は裏面は発色しないことなどが分かる面白い仕掛けだ!

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思い起こせば長い道のりだった(苦笑)。

BIRDERの取材でS博物館に来ていた文一総合出版のNさんに、本を出したいと相談したのは10年前だ。思っていたよりも昔だった(苦笑)。「動物遺物学の世界にようこそ!」が出てすぐのようだ。このときは顕微鏡で見た小羽枝構造の識別方法についてまとめたいと話してみたが、それだけでは売れないと一蹴された(涙)。

N氏から出た提案は、検索図、図鑑、顕微鏡の3章だてにするというもの。動物遺物学のアップグレード版だ。3章だてにすると顕微鏡部分に割り当てられるページは少なくなるが、売れないと言われてしまったら仕方ない(涙)。

その後、
2011年8月 企画が通過
2011年9月 原稿執筆要項の打ち合わせ
2013年中 原稿〆切り
2014年10月 刊行

これが本来のスケジュールだった。6年前には出版されていたことになる(苦笑)

さてさて、何があったのか(苦笑)

黒バックでの撮影だったので、撮影を始めてとにかく気になったのがホコリ!撮影しようとするとすぐにホコリが落ちて目に付く。撮影してからPCで拡大して見ると、ホコリがさらに目立つからそれをPC上で消していく。とりあえずホコリを気にせず撮ってからあとでPC上で処理しようとすると、処理するのにやたら時間がかかる。結局、いかに撮影のときにホコリを取り除くかが重要かということに気づかされた。しかし、1カット撮り終わって次の羽根の準備でまたホコリがまき散らされる。並べる羽根にもホコリがついてくるし、そもそも自分がカメラを持って動くだけでホコリが落ちるわけだから服にも気を使わなければいけない。このホコリ対策、PC処理が大幅に作業を遅らせた。
(これだけ頑張ったが、いざ書籍にする段階になったら背景は全て差し替えになったから、何年も格闘したこの苦労は全て徒労に終わった(涙)。)

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ホコリを取るために色々なグッズを試してよかったものの一つ。静電気でホコリを取るからかなりきれいになる。

次に苦労したのが羽根を洗って乾かし並べること。とにかく鳥が残してくれた財産を、出来る限りきれいな状態で載せたい。そのため、汚れているものや癖がついているものなどは全て洗ってクリーニングした。この、羽根を1枚1枚洗って乾かす作業も半端なく時間がかかる作業だった。さらに並べるのも一苦労。まずは羽根が横にならないように下にかませるものがなかなか見つからない。これも色々なものを試した。羽根によって下にかませるベストの大きさが違うから、定型のものは駄目だと結論付ける。そして最後に行きついたのがこれ。

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「世界の美しき鳥の羽根」を撮影しているときに練り消しを使っていたのを見て、これだと思った。この本の場合はバックが黒色だから黒い練り消しを探し、なんとか入手!かなり重宝したが、これをかませながら並べるのは本当に一苦労だった(汗)。ちょっと位置を変えたいときも羽根だけでなく、ねり消しと一緒に移動しないといけない。一つ動かそうとすると他に当たってバランスが崩れ羽根が横になる。そんなことを繰り返しながら1枚1枚並べる。さらには中腰をキープしなければいけないから、腰への負担も相当だった。

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上が下に何もかませていない状態。羽根は横になってしまう。下がかませた状態。横にならず羽弁全体が見える。

そしてもっとも過酷だったのが気温。始めたころ部屋にエアコンはなかった(苦笑)。夏は窓を開けてもこもった熱気はなくならない。もうろうとしながら撮影するが、時々汗が落ちて中断する。そんな中、とうとう心身ともに限界を迎えて窓に取り付けるタイプのエアコンを購入した!しかし、体羽や後羽の写真を撮るときは風で揺れるので、結局窓もドアも締め切り、エアコンも消して作業(汗)。この苦闘は心を折るには十分すぎた(苦笑)。夏は撮影向きではないと撮影に費やす時間も減っていた気がする。

そんなこんなでなかなか進まず、心は折れ続け、さらには年々忙しくなる本職にも翻弄された。そのころは1週間でも仕事を休めば片づけられると思っていたが、そんな甘いものではなかった。締め切りを大幅に過ぎ、新たに設定してもらった締め切りも結局守れず、月日だけが過ぎた。そんな中、担当のNさんともこのまま進めるかどうかで相談をした。Nさんからは、進める意思があるならぜひ進めてほしいと言われ、ホコリの問題などもそこまで気にすることではない点などをプリントアウトした紙で説明してもらうなどアドバイスをもらった。もう一度モチベーションを奮い立たせ、再始動!

とはいうもののなかなか進まず、2017年になって何とか顕微鏡関連以外の原稿を提出。一息ついたが、今度は担当のNさんが動けない状況だった。さらには叶内図鑑の増補版が出るという事で、文一総合出版としては同じ羽根の書籍を同じ時期に発売してもいいことはないと思ったのだろう。編集が進まない状況が続いた。

そして迎えた2020年。担当のNさんが抱えていた仕事もひと段落ついたらしく、急に話が動き始めた。世の中は新型コロナウィルス感染拡大で緊迫した状況が続く。しかし、その関係で在宅勤務が増えたことも幸いした。幸いという言い方は不謹慎だが、通常片道2時間、往復4時間かけて職場まで通っていた時間が書籍に費やせる。これは非常に大きかった。ハードスケジュールにも何とか対応し、そして、この発刊にやっとたどり着けたのである。本当に長い道のりだった。

ちなみにタイトルであるが、最初は「羽根識別完全マニュアル」だったらしい。自分で付けた?のに忘れていた(汗)。9年たってから改めてみると、かなり強気だなぁとちょっと引いてしまい、「完全」をとってもらった(苦笑)

しかし、10年経過したからこそできた本とも言える。10年という長い月日で、自分のコレクションや色々な人脈もできた。新しい識別点の知識も蓄積され、ブログで色々とりまとめたり、BIRDERで記事を書くことでノウハウを整理することができた。「世界の美しき鳥の羽根」が先に発刊されたり、それがきっかけでラジオで自分の羽根人生紹介されたりしたこともあった。この10年で色々な出来事が自分の中にいい形で蓄積されたと思う。確かに挫折の繰り返しではあったが、この10年があったからこその1冊だと思う。あきらめず企画を守ってくれた担当のN氏には本当に感謝する。
そんな中身の濃い10年だったにも関わらず、相変わらず水鳥の苦手意識は変わらない(苦笑)。今回の書籍もかなり陸鳥に偏っていると思う(汗)。

posted by かんたろう at 18:30| Comment(2) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月10日

書籍発刊記念(その1)

バナーにも紹介しているが、いよいよ11月に新しい書籍が発売される!無事発売されたら書籍発刊までの苦労話を記事にしようと思うが、その前にここに至るまでにあったことを振り返ってみた。

まずは何といってもこれが欠かせない。初公開となる卒業研究論文(1991)。専門学校で書いたものだが、自分にとってのバイブルとも言えるもので、読み返すと忘れていることもあるし、今回の書籍もこれが起源となっている。PCもなかった頃なので手書きだが字の汚さが目立つ(苦笑)。このときは18種の鳥の羽根の識別をとりまとめた。

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このころはまだ笹川図鑑も叶内図鑑も出ておらず、羽根を調べたくても1990年に故 浜口哲一さんと佐野裕彦さんが出した「とり」(文一総合出版)に載っていた25種のイラストをあたるか、「Tracks and Signs of the Birds of Britain and Europe」(1987)の日本と同じ種のイラストで比較するしかなかった。インターネットで調べる事もできなかった時代、既存の資料から得られない情報は、鳥の図鑑や写真集を眺めて推測するしかなかった時代である。誰に聞いても羽根の識別が分からない中、無いなら作ってしまえと作ったのがこの卒業論文である。私の母校は経営者が海外逃亡して無くなり、カラーで描いていた図版を含むこの論文は、この世に私が持っているコピーだけとなってしまった。

それから月日も流れ、羽根の識別というテーマで知識を蓄え、羽根のコレクションも増えていった。羽根の識別をまとめていた当時、平塚博物館館長であった浜口哲一さんに、「一生もののテーマだね」と言われたのが今でも忘れられない。そのときは早くまとめて終わりにしたいと言ったが、今実際に一生もののテーマとして自分のライフワークとなっている。浜口さんは羽根の奥深さを私より理解していたのだろう。我々は惜しい人を失ってしまった。その浜口さんに今まとめているものを世に出したいということを相談したことがあった。それほど深く付き合いのない私に親身に対応してくれ、出版社も紹介してくれた。本当に良い人だった。しかし、出版社には体よく断られてしまう。私の出版への想いが足りなかったことで浜口さんの好意を無駄にしてしまった。申し訳ない限りである。それでもあきらめきれずにいたところ、生物技術者連絡会の報告会で演者を募集していたので、そこに申し込んで識別の取組を発表させてもらった。それがきっかけで会員向けに書籍を作ろうという話が持ち上がり、できあがったのがこれ!

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会員向けなので、120冊ぐらいしか作っていない。浜口さんには亡くなる前にこの書籍を贈り、感想をいただくことができた。本当に良かった!
識別するために検索図という要素を取り入れ、図に細かく識別点を書き込んだ。そして顕微鏡による識別も紹介したのは、日本でも初めてだったと思う。羽根の図版はAdobeのイラストレーターで作画したが、とにかく時間がかかって大変だった。ヤマドリの雌の尾羽だけで何か月かかかったような気がする。

その後、普及版として書籍を売り出すことが決まり、できたのがこれ!

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中身は会員向けのものとほとんど変わらないが、世に出たことで多くの人に見てもらう事ができた。

「動物遺物学の世界にようこそ!」が出てから10年。卒業論文から数えると30年。新刊と言いつつ、行きつくところは検索図、図鑑、顕微鏡による識別という同じ構成となったが、グレードアップしたものがやっとまとまった!「動物遺物学の世界にようこそ!」でこだわったのは羽根をイラストで示すことだったが、今回は写真中心。動物遺物学のすべての情報を移し込めていないが、情報量はかなり増え、内容はかなり読み応えのあるものになったと思う。発売が待ち遠しい!!

最後に、顕微鏡に関わる文献を紹介しよう。
絶対外せないのが、Chandlerの文献である。これがきっかけとなって、世にこの分野が広まった!彼の功績はとてつもなく大きい。

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そしてもう一つ。Prast & ShamounのBird remains identification system(BRIS)。

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元々はCD-ROMなのだが、あまりにも使いにくいので全部抜き出して、ついでに和訳して書籍化した。思ったよりも中身が多く、600ページを超える分厚い本になってしまった(苦笑)。それがこれ!

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この資料は、私の中で顕微鏡による識別をやってみようと思い立ったきっかけであり、今でも参考にすることが多い。新刊の「羽根識別マニュアル」でもこの資料のデータを多用している。私にとって書かすことのできない資料だ。

posted by かんたろう at 22:02| Comment(2) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする